中国語の参考書・アプリレビュー:その3 上級編

中国語の参考書・アプリレビュー:上級編

私がこれまでに体験した中国語の教材をレビューします。ここでは上級、おおよそ中検2級以上に合致する教材を取り上げます。

合格奪取! 中国語検定 2級 トレーニングブック

入門~初級編中級編でも述べたとおり、アルクのこのシリーズはマストです。2級となるとボリュームは非常に多いですが、やりとおせば合格に必要な力の6~7割くらいはつくでしょう。
そう、3級までと違い、この本だけでは少し足りません!プラスアルファで以下に紹介するような教材をやりこむ必要があります。その意味ではオススメ度は若干下がりますが、3級合格後にはこのシリーズと中級編でもご紹介した「聴読中国語」が最優先アイテムであることは間違いありません。
評価:(中検受験なら必須)
  

精選 中国語重要文例集 第2版

中国語検定2級対策としてマストな本です。アルクのトレーニングブックシリーズと並ぶ必須本と言っていいでしょう。
2級の認定基準に「複文を含むやや高度の中国語の文章を読み,3級程度の文章を書くことができること」とあります。この複文を徹底マスターしなければ合格はおぼつきません。
この本は中国語検定協会の実施する級別一日講習会でも2級対策のテキストとして利用されており、編者の上野恵司先生は協会の理事長です。そのため、中検2級で必要なエッセンスがぎっしり詰め込まれています。
学習が進んだ人向けですので、解説は最小限です。その分だけ重要な複文がコンパクトにまとめられています。これをシャドウイングで完璧にマスターすることが重要です。
評価:(中検受験なら必須)


高電社 中国語検定 過去問WEB

中国語検定も2級くらいからは過去問をつぶしていく必要があります。また、一回で合格する人もだいぶ減ってきますので、自分が受けた試験の答えあわせもしたいところです。中国語検定協会が定期的に過去問をリリースしていますが、いかんせんタイムラグが大きく、複数回分を購入しようとすると出費もバカになりません。
語学ソフトを多く出している高電社は素晴らしいことにWEBで過去問を公開しており、「中国語検定 過去問WEB」としてサービス化しています。
試験終了から公開までのタイムラグもかなり短いです。出先でもスマホで手軽に利用できますので、利用してソンはありません。なんだかんだと試験対策の王道は過去問の地道な反復。じっくりやりこめば合格も近づくでしょう。
評価:(中検受験ならオススメ)


口が覚える中国語 スピーキング体得トレーニング

音読メソッドによって中国語の音に慣れるというコンセプトで、例文も重要な単語や構文をうまく包含してあります。リスニング寄りですが、具体的には「聴読中国語」に近い活用方法になるかと思います。しかし、ギッシリと重要事項を詰め込んだ「聴読中国語」に比べるとやや例文の切れ味が悪いような気がします。リスニングが特に苦手な人のサポート教材といったところでしょうか。唯一「聴読中国語」に勝っているのは、例文のテーマが中国の身近な文化や社会テーマなどを扱っていて面白いところです。「聴読中国語」のつまらない文章が合わない方はこちらの方が向いているかもしれません。
評価:★★★(可もなく不可もなく)


中国語検定2級徹底攻略―筆記問題完全マスター

中検2級の筆記攻略本で、amazonでの評価も高めですが、私はそれほど使えませでした。アルクの参考書シリーズのようにテーマ別になっていないため学習しにくく、内容も現実の中検難易度よりやや高い、もしくは最近の傾向とずれている感じです。なんとなく、散漫な印象なのです。アルク、「精選 中国語重要文例集」、過去問とひととおりこなした後、場数をふむための本という感じでしょうか。
評価:☆☆(中検受験用;可もなく不可もなく)

学習者の間違いから学ぶ! 中国語スーパートレーニングブック 中検2級レベル編

この本は中国語検定協会が主催する「実力養成通信添削講座2級コース」で実際に出された問題と解答、誤答例を編集したものです。監修者は協会の理事長上野惠司氏、このお墨付き感からさぞや有用だろう...と期待してしまうのですが、それほど優先度は高くありません。
内容は、ずばり「複文」です。長文やリスニングもおまけに付いていますが、一冊まるまる複文マスターを主眼にした本と言っても過言ではありません。
中でも複文の日中訳に多くのスペースが割かれていますが、本来いろんな言い方があり得る文章を無理矢理特定の複文に当てはめている感じがあり、それほど納得感は高くありません。試験ではこうすると減点されるかも...というポイントはよくわかります。上掲「精選 中国語重要文例集」でマスターした複文を練習するための本という感じでしょうか。
評価:★★★(可もなく不可もなく)

中国語検定HSK公式過去問集5級

中検3級と2級の間のレベル差はかなりあるので、中間的な目標としてHSK5級にチャレンジするのはいい選択です。こちらはHSKの公式過去問集。分厚く携帯に向かないのが難ですが、私は一回分ずつ切り取って使っていました。HSKの問題を解いていると、中検の出題は複文が多かったり謎の単語が好まれたりといろいろクセがあるのだなということも分かります。
評価:☆(HSK受験なら必須)



(画像クレジット McKay Savage from Chennai, India ; One of the fantastic stone Buddhist carvings in Leshan, Sichuan, China. I loved the thousand-hand representation here and the way the light framed it.)

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