各種語学検定の難易度比較 ~実用レベルの”CEFR” B2を目指せ!

各種語学検定の難易度比較

(各種検定の公式資料やCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)でのランク表をもとに独自作成)

メジャーな語学検定・資格のレベルを比較してみました。参考としたのは、各種検定の必要単語数と、NHKの語学講座でも基準として利用されておりグローバルな言語取得レベルの判断基準ともなっているヨーロッパ言語共通参照枠のCEFRです。CEFRは簡単な順位A1、A2、B1、B2、C1、C2という6つのグレードに外国語レベルを分類しており、C2がネイティブ相当です。
いくつかの資格はCEFRで何レベル相当、という判断基準を公開しています。

英検とTOEICの比較

英語の2大試験、英検TOEICの比較はよく話題になります。
通訳案内士という国家資格では、検定を保有していると外国語試験を免除されることがあります。英語の場合、英検1級とTOEIC840点以上は試験免除です。
しかし、英検1級とTOEIC840では英語力に天と地ほどの差があります。
私の感覚では、
 CEFRのC2 => 英検1級 => TOEIC950以上 >>>(超えられないカベ)>>> TOEIC900以上 >>>(超えられないカベ)>>> TOEIC840以上 >=英検準1級
くらいではないでしょうか。

TOEICは950点以上をコンスタントに取れる人の英語力とギリ900点超え程度の人の英語力には大きな差があります。900台と840前後の人とのカベもかなり大きいでしょう。そして、必要とされる単語力や設問の高度さ、面接の難易度など、英検1級はTOEIC950以上であるのは明らかと感じます。英検準1級はTOEIC700台では受かりませんが、800台の人にとっても簡単とはいえないレベルです。

もし通訳案内士を目指すなら、英検1級よりもTOEIC840を目指すのがお得でしょう。

中国語検定とHSKの比較

中国語のメジャー試験は2種類です。一般財団法人の日本中国語検定協会が実施する「中国語検定」と、北京言語学院が開発し、中国の国家認定試験となっている「漢語水平考試(Hànyǔ Shuǐpíng Kǎoshì)」です。
日本では中国語検定は歴史ある試験ですが、日本でしか通用しません。HSKはグローバルに通用する資格で、中国の大学に留学する際の基準となっています。
(この他に「実用中国語技能検定試験」という全く別の検定もあります)

中国語検定は準4級から1級までありますが、実質普通に日本人が取れそうなのは準1級までとされています。1級はとてつもない難易度で、10年以上プロで通訳をしたような人でもようやく受験しようかなと思うほどのレベル。そういった猛者達でも合格率が5%程度という、かつての科挙もかくやというほどの試験です。
HSKは1級から6級まであり、各級がCEFRでなに相当、という基準を公開しています。

しかし、このHSK基準には多いに疑問があります。HSK6級がネイティブ並みのCEFR・C2となっていますが、そこまでとは思えません。
HSKもTOEICと似たところがあり、300点満点で何点か、というレベルが問題になります。6級は難関ですが、6割・180点程度しかとれない人と満点近い点数をたたき出す人の中国語力には大きな差があります。
上に挙げた通訳案内士の外国語試験免除基準によると、中国語検定が1級、HSKが6級180点以上の場合試験免除となりますが、中検1級とHSK6級180点の差はとてつもなく大きいと感じます。

私の感覚では、
 CEFRのC2 => 中検1級 >>> HSK6級270以上 >>> 中検準1級 >= HSK6級240以上 >>> HSK6級180以上 >> 中検2級
くらいだと思います。

もし通訳案内士を目指すなら、中検1級よりもHSK6級180を目指すのがお得でしょう。

フランス語検定とDELE

英語や中国語と同じく、日本で認定されている資格と本国の国家認定資格があります。公益財団法人フランス語教育振興協会が認定する「フランス語検定」とフランス国民教育省の認定する「DELF・DALF」です。
DELF・DALFのグレードは完全にCEFRに対応しています。フランス語検定との難易度比較ですが、必要単語数などを基準にするとおおむね表のような対応でしょうか(私のフランス語力が乏しいため判断できません)。

通訳案内士の外国語試験が免除されるのはフランス語検定1級のみです。DELF・DALFは対象外となっています。


どのレベルを目指すべきか?

私見ですが、英語はCEFRのC1(上級)を目指したいところです。
具体的には英検準1級、TOEIC800点台後半(できれば900点以上)といったところです。
やはり日本人なら中学高校と6年間やってきているわけですし(昨今は小学生から!)、中途採用などで要求される水準もこのくらいではないでしょうか。学校やテキストなど学習環境も豊富にそろっており、決して難しいとは思いません。

一方英語以外ですが、独学である程度ものになる水準はCEFRのB2(中上級)くらいだと思います。単語数で3000程度、中国語検定なら2級、HSKなら6級受験を考えようとするあたり。フランス語検定なら2級くらいです。
このレベルを超えるととたんにハードルが上がり、語学学校にハードに通ったり留学するなど、それなりの投入が必要となってきます。
ちなみに、中国語検定2級の場合大学の中国語専攻卒程度とされています。一応実用レベルと言える範囲かと思いますし、独学でそのくらいできれば十分ではないでしょうか。

0 件のコメント :

コメントを投稿