多言語取得者の本や体験記には、おおむね800時間でほとんどの外国語をマスターできると書いてあります。
しかし、そもそも本を出すような多言語取得者は天才、もしくは極めて効率のよい人(やはりある種の天才)かと思われます。
中学高校の英語の授業時間はおおよそ800時間だそうですが、それだけ学んでも、ほとんどの日本人が英語は苦手なのです。
CEFRでは、おおむねB2が400時間、C1が600時間、C2で800時間という説があります。フランス語検定1級の場合、目安となる勉強時間が600時間となっています。
しかし、こういった数字は「天才が学習した場合の最低限」くらいのとらえ方が妥当でしょう。
アメリカのThe Foreign Service Institute (FSI)によると、英語圏の人が中国語、アラビア語、日本語などをマスターするのに必要な時間は2200時間・88週とされています。これは週に25時間、1日5時間ペースですので、1日1時間なら5倍の440週、およそ8年です。
ということは、日本語話者が英語を「マスター」するとしたら(CEFRのC2レベル)、やはり2200時間は必要ということではないでしょうか。
中高800時間プラス1400時間、1日1時間としてもプラス5年程度は意識的な学習が必要ということになります。
しかし、100覚えてやっと10しか残らない凡人のアラフォーでしたら更に1.5倍、600時間はみておきたいところです。ムリのない範囲で年間200日×1日30分だけ語学に費やせるとしてみましょう(もちろん、1日に1分の日もあれば1時間の日もあるでしょう)。
そうすると年間学習時間は100時間、必要期間は6年となります。
アラビア語やタイ語のような難易度の高い言語はもっとかかるでしょう。一方、英語に近い言語や中国語、韓国語でしたらもう少し易しいかと思います。もちろん学習時間をもっと割けるのであれば大幅スピードアップも夢ではありません。
しかし、社会人がムリのない範囲で進めるとした場合、おおむね外国語を実用レベル(CEFRのB2レベル)で習得するのに必要な期間は5~6年程度、と考えられるのではないでしょうか。
逆に言えば、学習を始める時点である程度5カ年計画的なものを頭においておいた方がよいということです。独学ができるまで最初1年学校に行く、1年目で○級を取り2年目で○○級に進む、などの青写真をある程度もっておくと、腹を据えて取り組みことができます。
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