語学とは結局暗記である

全く出典が思い出せずうろ覚えですが、確か受験生の時に手にした、古い英語の参考書だったと思います。
序文に力強く、こう書いてありました。
「英語は99%暗記だという人がいるが、間違いである」

ほう、そうか、何かいいやり方があるのかなと思って読んでいくと、
「英語は100%、暗記なのである」

という記述があり、近道はないのだなとがっかりしたと同時に、何かその言い切りにすごみというか、潔さを感じたのも事実です。

小川康さんという方をご存じでしょうか。
東北大の薬学部を卒業された後、チベットで医学を学びチベット医になった方です。
こちらは著書。

僕は日本でたったひとりのチベット医になった ヒマラヤの薬草が教えてくれたこと

こちらはTEDの書き起こしです。
医者になるのに「10年かけて8万文字の経典を暗記」 薬のはじまり、チベット医学の世界

チベット医学の学習とは、すさまじいものです。
チベットの医者は、およそ8万文字の経典を暗記し、完璧に暗唱できなければなりません。早口でも、全部暗唱するのに4時間かかるそうです。小川さんはこの暗記に10年を費やしました。
チベットで医学を学ぶ子供達は、貧しい家庭から追い出された行き場のない子も多いそうです。生きていくために命がけで暗唱することによって、何百冊もある経典をそらんじることができるようになると言います。

多国語をあやつる中国人やインド人に、学習法を聞いてみたことがあります。そろって音読・暗唱の必要性を語っていました。私の印象でも、特に中国人や東南アジア系の人は音読・暗唱を重視しています。

効率的な勉強法、ラクな勉強法というものがいろいろ紹介されています。
しかし、語学はやはり暗記だと私は信じています。
語学の学習をするなら、まず最初に「語学は暗記だ、語学はインプットだ」と腹をくくることです。
ただし、暗記の効率的な方法というのはあるでしょう。それは音読、シャドウイング、暗唱、ディクテーション(書き取り)など、なんらか耳と他の器官を連動させることによるものだと思います。



(画像クレジット Ernst Schäfer; Tibetexpedition, Mönche, Buchdruck )

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