「四声」は忘れる! 100%把握するのは無理


中国語には声調という音の抑揚があります。いわゆる「四声」というやつですね。
同じ読みの語でも声調次第で全く意味が変わってしまいます。
中国語教科書の最初に必ず載っているのが、「マー」の例。

第一声 マー mā →「妈」(母)
第二声 マー má →「麻」(痺れる、アサ)
第三声 マー mǎ →「马」(馬)
第四声 マー mà →「骂」(ののしる)

これを見て、さあ中国語頑張ろうという気になるでしょうか。
私は全然なりません。

「全部『マー』じゃねえか!ややこしいよ中国語!」となってそもそもやる気にならないのではないでしょうか。こんなものを初心者向け教科書の冒頭に載せるのはただの脅しです。

では、どうするのか。
声調・四声なんて忘れてしまえばいいのです。忘れて学習を進めましょう。
シャドウイングを続ければ、勝手に覚えます。

語を暗記するときに、この語は第一声、この語は第二声...などと覚えていくのはムリです。仮にムリでないとしても、とても非効率だと思います。そのままシャドウイングで、丸ごと「音」として覚えてしまう方がよほど簡単です。
誤解しないでほしいのですが、発音や声調が大事でないと言っているわけではありません。自分をテープレコーダーにするつもりで、音をそのまま暗唱して覚えればいいといいたいのです。

私はある語が何の声調に該当するか、にわかにわかりません。ピンインも正確に書けません。ごく基本的な語の場合、自分で発音してみて、たぶん一声だなとか二声だなとか、ピンイン綴りはこうだなとか判別できる程度です。こんな私でも中検2級合格できましたし、中国人との会話も問題ありません。

また、声調をことさら意識しなくても、実際の場面では問題ないことも多いのです。それがどの語なのかは文脈で判断できるからです。
たとえば、「ママーマーウォ」という文を聞いたとき、四声の知識がなくてもそれは「妈妈骂我」(母が私を叱る)の意味に決まっています。「麻麻骂我」や「马马妈我」になるわけがありません。文意をなさないですから。

「橋」も「箸」も「ハシ」と読みますね?それぞれアクセントが違いますが、その違いは四声のように厳密に決まっているわけではありません。発話者や地方によっても違うでしょう。
だからといって、我々が日常会話で橋と箸を誤認することはほんどありません。それは、語というものは必ず前後の語とセットで、文脈の中で使われるからです。

中国人に対しても、第二声と第三声を多少間違えて発音したところで、だいたい通じてしまうのです。通じなければ、それはモジモジして声が小さいとかそういった別の問題の方が大きいと思います。

そもそも、実際の会話では、声調を気にしていたらスムーズに話せません。
あまり神経質になりすぎず、シャドウイングを信じて学習を進めていきましょう。


(画像クレジット Christian Haugen ; Batu Caves Kamadhenu)

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